2004年11月

11月1日 静かに、燃える


入れ替え戦最有力候補であるセレッソとのアウェーゲームでも自分達のサッカーを見失うことなく披露し、
両エースの貫禄ゴール無失点という、これ以上ない試合運びで今まで勝ったことがないという長居スタジアムで勝利しました。また、翌日のジェフ×ガンバの2位3位の直接対決は、御丁寧に2-2の引き分けという、レッズにとって最も有り難いスコアで終わってくれまして、勝ち点差が7にまで広がりました。もしかしたら試合のない10日にも優勝が決まってしまうかも?しれませんな(要はレッズが6日に勝ってジェフとガンバが負けて、10日の代替試合でアルビレックスがレイソルに負ければ、他チームが残り試合を全部勝ってもレッズの勝ち点に届かなくて決まる、という話ですか?面倒なので計算はしませんけど)。まあ、一番有力なのは20日のグランパス戦でしょうな。初優勝は、是非とも駒場スタジアムで見たいものです。あのスタジアムには、哀しみも、喜びも、それはもうたくさん詰まっていますから。

さて、2日後にはナビスコカップの決勝戦です。レッズは、ディフェンディングチャンピオンなわけですから、今年もその座を死守しないといけませんね。きっちりと気合いを入れておかないといけません。…とはいっても、やはりというか、昨年や一昨年程の早く来い、当日!というギラギラした気持ちは湧いてこないのが正直なところです。相手に不足があるわけではありません。FC東京はかなり厄介な守備のチームだと思います。いままで通りのサッカーをやってこられたら、恐らく先制点が決勝点になるでしょう。レッズのサッカーを披露できるか、微妙なところです。つまり、それほど注意すべき存在ではあります。でも、思った以上に落ち着いているんですよね…。

リーグ戦に関しても、優勝がしっかり意識できる時期に入ったというのに、僕自身は思ったよりも浮ついていません。なんでだろうかと考えれば、それはやっぱりまぐれで勝って今の位置にいる、というわけではないからでしょう。一昨年、昨年の優勝争いの参加の仕方が脇役の賑やかしであったとすれば、今年のそれはもう、ベテラン俳優か実力派若手俳優の佇まいに他ならず、主演として中心にいても安心して見ていられる感じです。だからこそ最早挑戦者としてではない、受け止める側としてのメンタリティでこの決勝戦を迎えられるのではないかな、と思います。

だからといって、醒めているというわけではありません。僕は今年も前泊して、国立で日の出を拝む予定でいますし、他の人たちだって始発で乗り込んでくる人たちはたくさんいるでしょう。試合前の雰囲気だって、きっと今までよりももっと凄いものになると思いますし、試合内容だって(相手の出方次第ではあるけど)この間のアントラーズ戦のような、いやそれ以上のものになるだろうと思っています。

決勝プレビューは、相手は4-2-3-1のスペインでは主流のシステムです。3-5-2、もしくは3-4-2-1でぶつかるレッズはサイドにおける数的不利の状況が予想されます。よってこの試合で鍵を握るのが中盤の底、鈴木選手長谷部選手です。彼らがサイドを如何に使わせないように出来るか、そしてマイボールになった際に如何にして早く前線にボールを運べる(繋げる)か、というのが重要になります。また、DFからFWまでをコンパクトに保てるかディフェンスラインを高く維持できるかというのも重要です。そして、前線の3人を如何にして活かすのかというのも見所の一つです。スペースを作ってそこに走らせるのか、自分でこじ開けるのか、ミドルシュートを狙うのか…。ここ数試合で見せている多くの攻撃パターンを総動員すれば、FC東京の標榜する「攻劇サッカー」など見る影もない程の素晴らしい攻撃サッカーを披露することも可能でしょう。

最後に。FC東京さん、面白い試合にしましょうね。間違ってもいつものような試合運びはしないで下さいよ。いつかは忘れましたが、ジュビロ相手に自分達のサッカーを貫いて見事に玉砕していた、そんな素敵な攻撃サッカーを、是非僕たちのホーム、国立競技場で見せて下さい。


11月5日 お楽しみはこれから


…えー、負けました、ナビスコカップ決勝戦。試合自体はスコアレスドローの引き分けですが、
絶対に決着はつけないといけないわけで、PK戦で、負けました。非常に残念ですが、試合に勝つということは簡単ではないということを痛い程分からせてくれ、それもサッカー。こんなこともあるさと思えるようになるのに2日かかりましたよ、ええ。

でも、良い試合でした。レッズはいつものように攻めていたし、プレスの位置はちょっと気になったけど、無失点でしのぎ切りましたし、FC東京だってジャーンが退場するまではイメージ通りの攻撃的なサッカーをしようとしていましたし(退場劇がなければ、もっと面白い試合になったとは思いますが)、第三者的に観ていれば、お互いの色のフラッグが林立するスタジアムの背景と相まって、かなり素晴らしい試合だったのではなかろうかと思われます。

ちょっと残念だったのは、思ったよりも試合前の雰囲気が和やかというか、お祭りのような雰囲気だったことですかね。これは現場にいた自分としても反省すべき点でした。

一方、この試合一番のハイライトだったのは、延長戦に入る前にFC東京側から聞こえてきたYou'll never walk alone。このタイミングで来るのか、と不覚にも感動してしまいました。選手たちが円陣を組んでいる中、「お前らは決して一人で歩いているのではない」と後押しするサポーターたちの唄。日本のスタジアムでこの唄が聞こえるという違和感は確かにありましたが、何より絶対にみんなで勝つんだという気持ちがにじみ出ているのが良くわかり、昨年自分達もそうだったというのを思い返していました。

翌日、じっくりと試合をビデオで見直すと、今野という選手は本当に良い選手であるということが分かりました。オリンピック以前から注目していましたが、その後もどんどん成長していますな。危険なポイントに絶対絡んでくるし、その対処法が悉く正しく、且つ正確。もう一人の中盤の底であった三浦を下げてジャーンの代わりに藤山を投入してもFC東京の中盤が破綻しなかったのは前線の選手のフォローもあったでしょうが、今野がいたからというのが大きかったと思います。確かに、怒濤のレッズの攻撃を防ぎまくった土肥にもその資格は十分にありますが、MVPは今野でもよかったのではないでしょうか。

ビデオも終盤。PK戦が終わって表彰式が流れているとき、ふと、昨年の準々決勝で帰りに少し話をしたFC東京サポーターの家族のことを思い出しました。あの人たちも当日、反対側の場所にいたんだろうか。そして、優勝を喜んでいたんだろうかと思うと、ただ負けたというのではなく、なんというか、サッカー好きで良かったな、と思ってしまいました。いろんな人が、自分のクラブを応援して、一喜一憂して、それがずっと続いていくんだなあ、と。そんなことを考えたら、今回は負けたけど、次は負けない。また来年のこの日に、国立で試合を観たい。と、改めて強く思いました。

でもまあ、もうこの試合に関しては、過去のことです。賞金も5000万円ももらえましたし、ナビスコさん今年もありがとうということでこの話は終わりです。それよりももっともっと、大切で面白いことが僕らの前に待ち構えていますから。リーグ戦残り4試合、あと2勝することで王者への挑戦権をようやく手に入れられます。僕たちの目標はステージ優勝ではありません。あくまでも日本一になることです。そのための前哨戦の一つが、明日のエスパルス戦です。中2日で、120分戦っていて、累積警告でアルパイと鈴木選手が出られなくても関係ありません。そんな状態でも勝てないようでは、3ステージ連覇中の王者に対して失礼ですからね。不安になることなく、一歩一歩、確実に進んで行きましょう。


11月21日 脱力系、こっそり奮起する


約、2週間振りの更新となります。その間天皇杯がありましたが今年に関しては
初戦敗退することもなくアビスパに快勝しました。次戦はベルマーレ。一昨年、そして昨年とやられた相手に借りを返していけるこの組合せに、感謝したいと思います。順当に行けば、次はFC東京。ナビスコカップの借りを返せますし、もしくはアルディージャがそのFC東京を倒せば、一足早いさいたまダービーとなります。いずれにせよ、楽しみなカードです。まあその前に、レッズは勝ち続けないといけないのですが。

さて、6日にエスパルス戦がありました。3日前のナビスコカップ決勝に出場できなかった酒井選手が嫌なムードを吹き飛ばす値千金の同点ゴールを決めてくれ(これはローマ所属時代の中田選手がユーヴェ相手に奪った得点(これによりスクデットが獲得出来た)に匹敵するくらいの重要な得点でした)、闘莉王の起死回生の逆転ゴールが決まって重要な勝利を得たとき、レッズの勝ち点は31となり、マジック1になりました。次の試合、勝てば文句なくまた仮に引き分けか負けでもガンバが負けるとステージ優勝が決まる状態になりました。

それまでは現実的に考えていなかった僕もようやく、優勝が決まるのは次のグランパス戦だと確信しました。その舞台は駒場スタジアム。最高の状況です。そこで、僕自身がレッズの選手たちに直接何かお祝いできやしないかと思い、考えついたのがゲートフラッグの作製でした。幸い、天皇杯はありましたがリーグ戦がなく、時間が2週間程空きます。その間を利用して、僕もひとつゲートフラッグとやらを作ってやろうじゃないかと頑張ることにしました。

とはいえ、全くやったことのない作業です。でも仲間内に実際に作っている人もいますし、参考にできるサイトさんも多々あるので不安にはなりませんでしたが、フラッグはどのくらいの大きさが良いのかとか、どれくらい色を塗れば良いのかというのは実際にやってみないと分からないことでした。そして、下書きを如何にうまく写せるかということも。

結論からいえば、思ったよりも順調にいきました。イラストをパソコン上で描いて、陰影以外を除いてプリントして(そうしないと写しにくい)、ハサミで4分割したのをコピーで拡大して、セロテープでそれらを繋ぎ直して、コピーの繋ぎ目で消えた部分は更に描き足したり直したりしてでっかい一枚のイラストにしてから、布の下に敷いて鉛筆で書きなぞって、主線を黒のアクリル絵の具で描いて、最後に色をペタペタと塗っていきました。裁縫に関しては…、プロのような母に任せてしまいました。

筆でものを描くというのは、ずいぶんと久しぶりな作業でした。パソコンを買う以前はポスターカラーなどを駆使して色々と描いたり、POP等を作っていたのですが、僕の好みでベタ塗りが多いので、一気に色をつけられるパソコンでの作業を主流としてしまうとやはり、筆無精になっていました(でも始めていくと、これはこれで楽しかったです)。ただ、集中力が続かないのでパーツごとに作業を進めていった結果、思ったよりも時間はかかってしまいました(おかげで塗りムラはあまり作らずに済みました)。

基となったイラスト。実際はもっと朱色になってしまいました

そして試合当日。完成したゲートフラッグは、仲間の手によって堂々と掲げられました(僕は写真を撮っていました)。選手たちが見てくれれば、それでいいです。次節のレイソル戦でも、そして恐らく最終戦でも掲げられます(レイソル戦に関しては、僕はチケットを取れなかったので仲間に託しました)。ステージ優勝は決まりましたが、チャンピオンシップはもうちょっと先ですから。このステージの間は掲げてもらって、選手たちを讃えたいと思います。

試合の内容と当日の浦和の街に関しては、もう少し落ち着いてから、書き残すことにします。僕はゲートフラッグ製作が忙しくて封も開けていなかったゼルダの伝説 ふしぎのぼうしを始めますので。


11月23日 回想録11・20


…しまったなあ、もっと早く優勝したときの感想とかを書いておけば良かったです。今日のレイソル戦、良い試合だったからこっちのことを書きたくなっちゃったもんなあ。若い選手も出場出来たし、ディフェンスラインは浦和市出身者のみだし、うち室井選手はセットプレーからゴールを決めるし、外国人もエメルソンのみだけど、そのエメルソンは今季3度目のハットトリックだし、箇条書きにしたって最高の試合展開になるしなあ…。あー、駒場で観たかったさ、こんな試合を。

まあ、それはさておき11月20日に観られた試合はなんというか、選手のほとんどが浮き足立っているような、そんな試合内容でした。経験豊富と思われるアルパイにしたって、普段以上にゴール前に上がっていく回数が多かったりしたので(一時期、鈴木選手が完全にディフェンスラインに入っていたのには目を疑いました)、なんか、危ないなとは思っていたんですけどね…。それで、ガンガン攻め込まれて殆どチャンスらしいチャンスのなかったグランパスが、この前のエスパルスのようにカウンターで前半に1点盗み取り、後半にもかすめ取って、レッズもエメルソンのPKで1点取り返したけどフィールドプレーヤーが8人しかいないグランパスに同じ人数いるんじゃないか?と思わせるような試合をされて、完敗してしまいました。

この試合だけを見れば、チャンピオンシップは確実に負けます。岡田監督はこういうサッカーをしてくるし、こういうサッカーが出来る選手がFマリノスにはゴロゴロいますから。そんなことを考えたら、ちょっと頭が痛くなるような試合内容ではありました。でも、ガンバが空気を読んでくれたのか、Fマリノスが昨年のお礼をしてくれたのかはわかりませんが、ガンバが負けてくれたおかげで、どうにか駒場スタジアムでステージ優勝をきめることが出来ました。ありがとうガンバ、やっと対決できるぞFマリノス。でも一番いいたいのは、

やっぱり空気を読んでほしかったさ正剛さん。あんたは尊敬できるゴールキーパーだけど、それでもスーパーセーブし過ぎだったぞ。

紙テープを投げる瞬間だって、「試合が終わったら」ということだったのですぐに投げちゃったけど、周りの人は他会場の結果を知らなかったみたいでしたし、パラパラとテープが飛ぶだけでした。その後、朝井さんのアナウンスでようやく結果を知った後に、いっせいに紙吹雪とテープがドーン!と降り注いだわけでして、そのときに、僕の手元にはもう何もなかったわけで…。喜び方まで少し外してしまって、どうにもモヤモヤの残る試合後になってしまいました。

気分として一番近い感じだったのは、鈴木選手でしょうかね。「嬉しいけど、嬉しくない」というのがまさにその通りな感じでした。でも、他の選手は「今までの積み重ねがあったから、残り2試合残して優勝出来た」とか、とても大人なコメントを披露していましたよ。たしかにそうなんですけどね。でも、やっぱり喜び切れなかったし、泣くなんてもってのほかという感じでした。

ただ、僕の周りの仲間たちは、当たり前だけど素直に喜んでいました。その姿を見ていたら、やっぱり優勝というのは良いもんだなと思ったんですよね。昨年は初めてナビスコカップを手に入れて、今年はステージ優勝。まだチャンピオンシップはあるけれど、こうして毎年何かのタイトルが手に入るのであればこんなに幸せなことはないなと思いました。

浦和の街に帰る途中、予想通りというかみんなとはぐれまして、僕だけ一足先にバスで着いてしまいました。お店を電話で確認して、途中、居酒屋「力」の前を通ったら、もう、凄い人、人、人。報道陣もたくさんいたし、それに構わずその場所にみんな居続けるから、道路は満杯で、凄いことになっていました(横断する途中でゲートフラッグの棒が、少しまがってしまいました)。喜びも最高潮、といったところなんですが、喜ぶタイミングを逸してしまって、却って自分自身が冷めてきているなと感じてしまいました。

その後、合流してお店で飲んで、ちょっと悪酔いしかけて、交番近くでみんなで記念撮影して、近くにいたおばさんたちとちょっと話をして(「浦和の街が明るくなった」と喜んでくれていましたけど)、10時ちょっと過ぎにはもう家に帰っていて、片っ端からスポーツニュースを見続けました。

それで、本当に実感しました。苦節12年。降格して、復帰して、戦力を整えてクラブが一体になって、ようやく掴んだ栄光。テレビ的にも制作しやすそうなこの歴史を改めて第三者に作ってもらって、しみじみと感じる優勝の喜び。どのスポーツ番組にも呼ばれている選手たち。話す内容が本当に面白い選手たち。それを見ていて、ああやっぱりこいつらネタチームだと笑って、ステージ優勝してもあんまり変わってなくて安心したりと、お酒のせいで頭が少し痛くなるのを感じながら、最後の「すぽると!」まで見続け、眠りにつきました。

最後に。翌朝見た、エル・クラシコ、面白かったなあ!

バルセロナのあのビジュアルサポートを見たら、まだまだ上はいるぞと感服しました。そしてまあ、バルサのパス回しの素晴らしいこと!デコとロナウジーニョのパス交換はあれだけで5,000円は払えますよ。ラウルやジダンといったレアルの選手たちの存在感を全く出させなかったバルサの素晴らしい、本当に素晴らしいサッカーで僕は2004年の11月20日を最高かつ完璧な思い出の日にすることが出来ました。ありがとう、浦和レッズ、そして本当にありがとう、バルセロナ!