|
9月30日 ちなみに僕は日本人です
えー、完全に遅きに失した感が否めない話題ですが、後藤健生氏がウェブ上で書かれたコラムに関して、この脱力系サイトでも取り扱おうかな、と思います。この件に関しましては清尾氏もウェブ上、またガンバ戦のマッチデイプログラムで少し触れておりますし、それこそ数多のレッズ系サイトさんが怒りをぶつけていらっしゃいますので、そこは自分なりにまったりと書いていこうと思います。
あと、一応書いておきますが、僕は後藤氏の著書『サッカーの世紀』でサッカーというものを世界的視野で見ることができるようになったり、現在各誌で書かれている氏の文章によって非常に触発され、感銘を受けたりしており、氏のことを現在も優秀なサッカージャーナリストの一人として尊敬しています。ただ、この件に関しましてはサッカー云々よりも文章としてどうかな、と思ってしまいましたので、恐れ多くもネタにする次第です。
それで、そのサイトにリンクを張ろうかと考えたのですが、リンク先がなくなってしまうかもしれないと思いましたので、以下のような画像を用意してみました。この画像は、あるものを参考にして僕が作りました。ちょっと見やすくもしました。この画像を見ながら以後の文章を読んでいただければ幸いです。
参考画像 その1
基本的に、これに関して僕が申し上げることは殆どありません。特に赤い部分はまあ、もっともだと思いますので。問題は、青い所。「若い選手たちだけだったら生きのいい攻撃をする好チームの一つでしかない」ということですが、「外人部隊がいない」条件でも「若い選手たちだけで生きのいい攻撃」が出来れば、僕はそれでかなり満足です。「好チーム」なら、なおさら。そんなチームに経験豊富な選手が入れば、もっと良くなるでしょうね。でも、そんな外国人に一切頼らない強いチームなんていうのは現時点において日本には存在しません(2002年当時にはジュビロがありましたが)。
まあ、そんなことよりもこの作品において圧倒的に納得いかないのは、最後の方の赤い部分「そうなると、守備陣の頑張りがないと苦しくなる……。」というフリに対しての「と思って、DFラインを眺めてみたら、ここもいつの間にか闘莉王も含めて”外人”ばっかりになっていた!」という、オチの部分なんですが。
最後に「!」を付けていることから、締めとしてかなり力が置かれているのが分かります。が、全体の構成として、ましてや笑いを誘うための演出として、この一連のフリ、オチはどうかと。恐らく、この最後のオチを作るために最初からフリを小出しにして構成された作品だと思うのですが(多分、緑のタイトル部分は取って付けたもの、それどころかこのオチを示したいがためにこのネタを選んだようにも思えます)、どうでしょうね。
これは、隅にでも「ここは笑い所です」と書いておいてくれれば、あんまり非難もなかったようにも思えるんですが。そうすればああ『こうすれば面白い』とこの人は思って、こういったものを作ったのかとこちらが納得するだけで済んだわけですから。で、まあ多くのレッズのファンやサポーターはこれを読んで憤慨し、抗議のメール等を出したようで、それに対する答えが、以下の画像なんですが。
参考画像 その2
この画像では「外人」と読める言葉が随所にあります。怒っているようにも見えます。やっぱり、前作のオチに対して反応せずに読者が言葉尻に対して反応したからでしょう。「笑ってもらうつもりで書いたのに、違う所ばっかり見て」と思ってらっしゃるのかもしれません。そうでなければ過剰に「日本の社会もずいぶん進歩したものだ」とか、「浦和レッズのサポーターが左翼知識人みたいなことを言い出すとは思わなかった」という拗ねた表現は、しなかったでしょう。ちょっと大人気ない表現だと思います。
後藤氏はこの中で「人そのものを『内』と『外』に区別する『外人』という表現」は、「差別的なのだ」としていらっしゃいます。一方、あくまでサッカー文化の中で人間を区別するための手段として「外人」という表現を用いました。その表現が「差別的」であると認識しているのに、「敢えて」。
僕は左翼知識人ではありませんからそういった差別的な表現を進んで使うことに関して積極的に、否定も肯定もしません。でも、後藤氏の文章を拝借させて頂くならば、そういう文章を読んだら「何か釈然としない」感じになりますし、それが自分の応援するクラブに関してのことなら、なおさらそう思います。
個人的にこの作品で頂けないのは、前作を補足するはずの文章なのに説明がわかりにくい所です。アルパイやネネ、そしてエメルソンを「外人」と表現するならば(是非は別として)まあそうでしょう。彼らは日本人のサッカー文化の中で育っていませんから。でも、アレックスと闘莉王に関して「外人」という表現には無理があると普通考えてしまいます。
が、この作品において「外人」という言葉は、その人間のサッカーの基ともいえる「サッカー文化」を重要視して用いた表現であるということなので、結論としては前作における「5人の”外人”」という表現は妥当である(少なくとも間違いではない)と、いうしかありません。
でも、レッズサポーターはそんなに落ち着いてこれを読めないと思います。なにせ前作は、レッズという大事な存在をネタにされ、最後には笑えないフリとオチで締められたものでしたから。その続編が、拗ねた表現と分かりにくい説明では、火に油を注ぐようなものでしょう。
最後に。サッカークラブにおいてまず優先されるのは「勝ちたい」と思うことであり、そのために何をすべきかということでしょう。レッズにおいてその選択肢の中に帰化した選手を補強するという項目があったということであり、それはJリーグにおいて禁止されていることではありません。もっといえば、C契約で外国人を保有することもできるし、準外国人枠もまだ使用できますから、「外人部隊」を大きくすることは可能です。でも、レッズはそれが目的ではないので、今後もそれをすることはないと思います(多分…)。あくまで優勝するための戦力を保持するために、規則の中で出来うる努力をしただけのことです。それに対して納得がいかないのならば、同様の努力をすれば良いだけのことです。
そして、ファンがサポーターが選手たちに対して抱く気持ちは、ネネやアルパイ、エメルソンは外国人である前に、そしてアレックスと闘莉王は帰化して日本人になったという前に、
「レッズの大事な選手」だということです。それを蔑ろにするようなことを書いたんだから、みんなが怒って当然ですよ、と。今回の件に関しては、要はまあ、それだけのことだったということです。
|