2004年9月

9月5日 王者たちを屠る


オリンピックもなんだかんだであっという間に終わってしまいました。最多タイの金メダル(16)と、最多のメダル数(37)獲得ですか。とても素晴らしかったと思います(特に20年ぶりにメダルの色を上げたアーチェリー男子個人の山本選手には感動しました。「日本のヒーローにならなくてもいい。子供(息子や生徒たち)のヒーローになろう」という言葉は名言だと思います)。しかしもう、男子サッカーが予想以上に早く終わってしまいましたので凄く昔のように感じてしまったのも事実です。

この年代の総括としては、厳しい書き方をするとこのままだと埋もれるぞということでしょうか。現在のA代表を担っているのは20台中盤の無理に世代交代をする必要もないくらい、若い選手たちです。その中核をなしている彼らを超えるだけの選手がアテネ世代にいたかといえば、微妙な所でしょう。恐らくアテネ世代に頼らずともドイツワールドカップは迎えられるし(出場出来れば)、その下の北京世代の突き上げに期待するぐらいでもちょうどいいのかもしれません。だからこそ、そんな僕の評価を覆させるくらいアテネ世代の選手は、もっと頑張れ。Jリーグを引っ張り、盛り上げ、代表監督にガンガンアピールをしていってくれと強く思います。

…それにしても、鈴木啓太は連れていくべきでしたな。僕がレッズを贔屓しているということだけでなく、彼は山本監督がいう所の『人間力』として考えても、必要な人材だったと思います。

まあそんな弱腰監督の迷いごとはもう忘れて、Jリーグ・セカンドステージが開幕したんですけれども、レッズは調子がいいですな。開幕戦のヴィッセルを苦労して下すと、ホーム埼玉スタジアムでヴェルディを圧倒的破壊力(永井、山瀬両選手のハットトリックと山田選手の3アシスト)でひねり潰し、ジュビロとの序盤での大一番をロスタイムに長谷部選手のスーパードリブル&ゴールで逆転するという離れ業で退けました。失点数は変わらず多いですが、それを上回る攻撃力とその多彩さは、観客を飽きさせませんなあ。現在のレッズが見せているサッカーは、非常にエンタテインメントであると思います。

ただ、ヴェルディとジュビロの凋落ぶりというか、『らしさ』の見えない戦い方にはちょっとがっかりしました(まあ、ヴェルディの愚直な中央突破はあいも変わらずでしたが)。ヴェルディに関しては守備が酷すぎ、コメントしようがないくらいです。ジュビロに関しては流れるようなパスのつなぎは激減し、ルックアップしてボールの出しどころを探すという、以前では信じられないサッカーを見せてくれました。中山が後半に出てから少し、以前のジュビロらしいプレーが出てきたように見えましたが最早、ジュビロの時代は終わりに近いということは明白でしょう。

翻ってレッズのサッカーですが、実にテンポが良い。攻撃に関してはシンプルに相手ゴールにボールを運ぶことが一貫しているし、サイドも有効に利用し、両FWがサイドに流れればそのスペースを中盤の選手がきっちり飛び出してきてシュートを放つといった非常に小気味良いサッカーを展開しています。また、前線から守備意識が高くFWの位置からボールを奪うシーンも見られ、ターンオーバーの機会も増えています。あれだけ献身的に前から守備をしてくれれば中盤以降の選手たちもよりアグレッシブに守備をできることと思います。つまりはかなりいい具合にチームが纏まっているといえましょう。

そんな中迎えたナビスコカップの準々決勝なのですが、相手はFマリノス。ファーストステージの王者です。現時点で一番厄介な相手ともいえますが、ジーコ監督のアシストもあって代表選手が抜けてくれていましたし、ハードな日程のツケか練習が厳しいのかはわかりませんが多数の怪我人がいるためにベストメンバーが組めていませんでした。一方のレッズは代表のアレックスと怪我の坪井選手がいないくらいで、ほぼベストメンバー。怪我明けの平川選手のポジションに田中選手を入れるという、ちょっと勿体無い布陣で臨みました(実際、途中まで機能していませんでしたな)。

比較的観客の少なかった埼玉スタジアムでしたが、それでもビジュアルサポートには鳥肌が立ちました。雨に煙るスタジアムにたなびく赤、白、黒のミニフラッグ。昨年の決勝を想起させるような、レッズ・トリコロールに染め上げられたスタジアムの雰囲気はカンプ・ノウやサン・シーロにも負けないんじゃないかな、と思いました(行ったことないけど)。

このところのレッズは、先制して、追加点を決めて、前半に取られて(あるいは追い付かれて)、後半に突き放すというある意味でかなり心臓に悪い試合をしていたので、むしろ早い時間にセットプレーで先制されたこの展開に、これで必死になって攻撃してくれると内心喜んでいました。すこしの余裕が油断を生んでいるようなレッズの試合展開に、ちょうど良い刺激に思われたからです。で、その結果通りに山瀬選手の美しい2列目からの飛び出しゴールと、永井選手の「あきらめない」センタリングに合わせたエメルソンのゴールに結びついて前半のうちに逆転に成功しました。後半、PKでエメルソンがさらに突き放し、坂田に非常に微妙な肩のトラップからの、でも美しいループシュートを決められはしたもののなんとか逃げ切ることが出来て、3年連続の準決勝進出と相成りました。

試合後、挨拶に来た選手たちの不満そうな顔が、とても印象的で、嬉しく感じました。4試合連続で2失点している現状に怒りを覚えているというのはとても良いことです。今まででは想像も出来ないくらい、勝利というよりも勝ち方に飢えている選手たちを見ていて、非常に頼もしく思えました。次の相手はグランパス。瑞穂競技場はちょっと嫌なイメージがあったり、F1鈴鹿グランプリと日程が被っていますがあの選手たちの表情を見ている限り、それほど心配する必要はなさそうです(サポーターの移動は大変ですが)。それよりもこれからのレッズに対する期待は、強まるばかりです。

この3週間の間にヴェルディ(93、94)、ジュビロ(97、99、02)、Fマリノス(95、03)と王者たちを順番に屠ってきました。この3連戦で彼らを思い出の中に封じ込めたというふうに解釈して、10月にアウェーで行われる残りの王者、アントラーズ(96、98、00、01)との一戦も頂いて彼らも過去のものにしてしまいたいところです。が、おそらくセカンドステージを獲る上で現時点で一番厄介なチームは、ガンバなんだろうなあ…。


9月20日 撮り甲斐のある選手の離脱


ホームでは良い試合をするトリニータとの今年4回目の対戦にも危なげない試合運びで、開幕から4連勝。好調を維持しているレッズですが、18日もアルビレックスを4-1で吹っ飛ばし
これで中盤戦にもかなりの勢いがつくはずと考えても良いはずなのに、試合終了後はどうにもやるせない、暗澹たる気分でスタジアムを後にしました。そしてその気分は2日後、更に落ち込むことになったのでした…。

山瀬選手が左膝前十字靱帯を断裂、全治5か月〜6か月。随分と、随分と大きな試練を与えたものです。彼は前にも右膝の前十字靱帯を断裂しているのに…。それを乗り越えるためにレッズに移籍し、焦らずに少しずつ回復させ、ようやくトップフォームに近い所にまで復調してきた所だったのに…。彼の離脱は、替えが効かないこともあり今後のレッズに大きな影響を及ぼすことになるかもしれません。

もちろん、ブッフバルト監督もいっているように戦術はまだあるし、ポジションを任せられる選手もいます。その辺りは健全なポジション争いがあったおかげといえます。個人的には山田選手にその役割を期待したい所ですが、もっと攻撃的な意識と周りをうまく、早く使うことが必要です。また、長谷部選手を2列目にあげることも可能ですが(現にファーストステージはそうでした)、彼は鈴木選手とセットで使っている現在のポジションの方がパスを出し、ボールを散らすという役割においてより機能していると思いますし、2列目よりも前を向いてプレーしやすいこともあるのでこのままで使った方がよいと思います。トップ下を山田選手に託すとしたら、右サイドには平川選手や、まだフル出場が無理ならば酒井選手を先発させて途中投入という形でも良いと思いますし、永井選手でも可能かと思います。現行のシステムが無理ならば、1トップ(エメルソン)2シャドー(永井、田中両選手)にする形もありますし、まだまだレッズの攻撃力自体は下がらないとは思います。

でも、攻撃・守備においてどちらにも顔を出し、縦のポジションチェンジを頻繁に行って相手をかく乱させ、チャンスと見ればゲームメイクだけでなく、FWまでも追い越してゴールを狙うという、現在のサッカーにおいてスタンダードな2列目の選手(例えばネドヴェドのような)である山瀬選手の代わりを努めることは本当に難しいと思います。今まで時折見られたような、身震いしそうな程危険な攻撃の形(前線からの早いチェックと前に速い攻撃)がおそらくは、多少緩急をつけ、よりサイドを意識した攻撃(昨年のサッカーに近い形)になっていくのではないかと思います。

僕にとって山瀬選手は、左太もも裏肉離れで戦列を離れている坪井選手同様、実に撮り甲斐のある選手です。ボールのない所での動きが美しい選手は、そうはいません。常に前に、ボールが出てくることを意識したフリーランは全力で、だからこそボールが入っていなくても絵になります。昨年はオフト監督が厳重に追い越しを封印していたこともあって彼らしいスタイルを見ることは殆どありませんでしたが、今年はファーストステージ、そしてインテル戦、セカンドステージと時が経過するごとにコンディションが上がっていくのがわかるようになっていきました。

山瀬選手を初めて満足行くように撮れたのが今年のホーム、アントラーズ戦。それ以降は毎試合1枚は必ず、納得いく写真が撮れました。アウェー側のゴールに近い位置で、彼の写真を多く撮れるということは、それだけ彼が前線で良く仕事をしているということです。今後はもっともっと良い動きが見られるだろうな、と、本当に楽しみにしていたのに、こんなことになってしまうとは…。本人も残念でしょうが、僕たちファンやサポーターも本当に、残念でなりません。

今ステージは例年にない程、頂上が現実的に見えています。山瀬選手がその一翼を担ってくれました。ここで立ち止まるわけにはいきません。ナビスコカップだって連覇出来る位置にいますし、ここで下を向くわけにはいきません。怪我をしている選手たちが安心して治療に専念できる、総合的なチーム力が、今試されようとしています。もしかしたら昨年のセカンドステージ終盤のような厳しい状況かもしれません。それでも、これからの試合は落とせないし、落とさせない。そんな心構えで、これからの試合に僕も臨んでいこうと思います。…とはいえ、僕に何ができるんでしょうか…。そこはまあ、おいおい考えていくことにしますが。


9月27日 首位直接対決 その1


FC東京に最小失点で敗戦した後の久しぶりの駒場スタジアムでのガンバ戦をレッズは連敗することなく2-1で退けて1位を維持しました。上位同士の直接対決だったこともあり、この勝利は大きいです。まあ、次節のジェフとも、恐らくは次のFマリノスとも、更にはアントラーズとも、首位攻防戦になってしまうかもしれませんが、
ようやく頭一つ抜けだせたかなという感じではあります。

この2試合は実力伯仲の実にサッカーらしい試合展開でした(まあ考えてみれば、今までの3点以上とかの得点差がつくような試合の方がむしろおかしかったわけですが)。前者のFC東京戦は相手の長所を消し合う試合、そして後者のガンバ戦は自分達の長所を出し合う試合といった感じです。それにしてもFC東京との試合はいつもそういう、持ち味を出し合わない試合が多いですな。こちらが意識しすぎているのか、相手が引きこもるのか、たいがい1-0とかで決着がつく堅く、地味な試合ばかりな気がします。一方のガンバ戦は、写真も撮らずにスタンドでじっくり観戦していたんですが、どちらのチームも中盤高めの位置からボールを奪い合い、攻守の切り替えがとても速く、とても見ごたえがありました。

ボールをゴールまで運んでいく様子も両チームとも違っていて、面白かったです。先制点のガンバの攻撃では、中央の二川から右サイドに張っていた大黒へスルーパス。大黒がダイレクトでセンタリングして、そこに入り込んできたフェルナンジーニョが合わせてシュート。闘莉王が必死でかき出そうとしたもののボールはラインを越えていてゴール、というものなんですが、この展開は常にスペースに対して出されたパスで構成されていました。レッズが作ってしまった穴に向かって、ボールを流し込んでいって決めたゴールといえます。

一方、後半に見せたレッズの逆転ゴールは、押し込まれていた自陣ペナルティエリア付近での鈴木選手のインターセプトから、そのままドリブルで左サイドを上がってフリーでいたエメルソンにパス。エメルソンが又ドリブルで中央に進んでノールックでペナルティエリアに入り込んでいた山田選手にパス。そのまま左サイドを上がり、ペナルティエリアまで入り込んだ鈴木選手に山田選手がボールを預ける。鈴木選手がそのボールをダイレクトで反対サイドに走り込んでいた永井選手に合わせて、永井選手が左足でレガースを飛ばしながらボレーシュートしてゴール、というものでしたが、このダイレクトプレーはまずドリブルありき。自分でドリブルしてスペースを創出し、見方にボールを預けてまたスペースを生み出していくという攻撃でした。穴を各選手がこじ開けて、飛び込むことでボールを動かし、ゴールを決めたといえます。

どちらかといえばガンバの攻撃の方がスマートです。所謂、ボールに汗をかかせる攻撃。レッズのそれは少し手間もかかるし効率的ではないけど、兎に角ゴールに向かう意識が強く感じられる攻撃です。更にスピードがあるためにより脅威的です。それこそが両チームのカラーであり、それがとても色濃く見えたゴールシーンでした。どちらも上位にいるのが頷ける、素晴らしいゴールだったと思います。

山瀬選手に続いて長谷部選手も怪我で離脱したレッズですが、山田選手がトップ下に入り、永井選手が右サイドに入るという形でこの直接対決を制しました。この形で暫くは乗り切っていくことになりそうですが、以前とは違ってこれなら幾分安心してみられそうかなと何となく感じています。怪我人がいてもそんなに動じてないようだし、ああ強くなってきたんだなとしみじみ思った試合でした。

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あ、そういえば20000HITしていました。いつもありがとうございます。3年かかってようやく10000HITだったのに、1年でこの数字を越えてしまい、ちょっと吃驚しています。今後もスタイルは変えず脱力系で、肩の力を抜いてやっていきますので、どうぞよろしくお願いします。


9月30日 ちなみに僕は日本人です

えー、完全に遅きに失した感が否めない話題ですが、後藤健生氏がウェブ上で書かれたコラムに関して、この脱力系サイトでも取り扱おうかな、と思います。この件に関しましては清尾氏もウェブ上、またガンバ戦のマッチデイプログラムで少し触れておりますし、それこそ数多のレッズ系サイトさんが怒りをぶつけていらっしゃいますので、そこは自分なりにまったりと書いていこうと思います。

あと、一応書いておきますが、僕は後藤氏の著書『サッカーの世紀』でサッカーというものを世界的視野で見ることができるようになったり、現在各誌で書かれている氏の文章によって非常に触発され、感銘を受けたりしており、氏のことを現在も優秀なサッカージャーナリストの一人として尊敬しています。ただ、この件に関しましてはサッカー云々よりも文章としてどうかな、と思ってしまいましたので、恐れ多くもネタにする次第です。

それで、そのサイトにリンクを張ろうかと考えたのですが、リンク先がなくなってしまうかもしれないと思いましたので、以下のような画像を用意してみました。この画像は、あるものを参考にして僕が作りました。ちょっと見やすくもしました。この画像を見ながら以後の文章を読んでいただければ幸いです。

参考画像 その1

基本的に、これに関して僕が申し上げることは殆どありません。特に赤い部分はまあ、もっともだと思いますので。問題は、青い所。「若い選手たちだけだったら生きのいい攻撃をする好チームの一つでしかない」ということですが、「外人部隊がいない」条件でも「若い選手たちだけで生きのいい攻撃」が出来れば、僕はそれでかなり満足です。「好チーム」なら、なおさら。そんなチームに経験豊富な選手が入れば、もっと良くなるでしょうね。でも、そんな外国人に一切頼らない強いチームなんていうのは現時点において日本には存在しません(2002年当時にはジュビロがありましたが)。

まあ、そんなことよりもこの作品において圧倒的に納得いかないのは、最後の方の赤い部分「そうなると、守備陣の頑張りがないと苦しくなる……。」というフリに対しての「と思って、DFラインを眺めてみたら、ここもいつの間にか闘莉王も含めて”外人”ばっかりになっていた!」という、オチの部分なんですが。

最後に「!」を付けていることから、締めとしてかなり力が置かれているのが分かります。が、全体の構成として、ましてや笑いを誘うための演出として、この一連のフリ、オチはどうかと。恐らく、この最後のオチを作るために最初からフリを小出しにして構成された作品だと思うのですが(多分、緑のタイトル部分は取って付けたもの、それどころかこのオチを示したいがためにこのネタを選んだようにも思えます)、どうでしょうね。

これは、隅にでも「ここは笑い所です」と書いておいてくれれば、あんまり非難もなかったようにも思えるんですが。そうすればああ『こうすれば面白い』とこの人は思って、こういったものを作ったのかとこちらが納得するだけで済んだわけですから。で、まあ多くのレッズのファンやサポーターはこれを読んで憤慨し、抗議のメール等を出したようで、それに対する答えが、以下の画像なんですが。

参考画像 その2

この画像では「外人」と読める言葉が随所にあります。怒っているようにも見えます。やっぱり、前作のオチに対して反応せずに読者が言葉尻に対して反応したからでしょう。「笑ってもらうつもりで書いたのに、違う所ばっかり見て」と思ってらっしゃるのかもしれません。そうでなければ過剰に「日本の社会もずいぶん進歩したものだ」とか、「浦和レッズのサポーターが左翼知識人みたいなことを言い出すとは思わなかった」という拗ねた表現は、しなかったでしょう。ちょっと大人気ない表現だと思います。

後藤氏はこの中で「人そのものを『内』と『外』に区別する『外人』という表現」は、「差別的なのだ」としていらっしゃいます。一方、あくまでサッカー文化の中で人間を区別するための手段として「外人」という表現を用いました。その表現が「差別的」であると認識しているのに、「敢えて」。

僕は左翼知識人ではありませんからそういった差別的な表現を進んで使うことに関して積極的に、否定も肯定もしません。でも、後藤氏の文章を拝借させて頂くならば、そういう文章を読んだら「何か釈然としない」感じになりますし、それが自分の応援するクラブに関してのことなら、なおさらそう思います。

個人的にこの作品で頂けないのは、前作を補足するはずの文章なのに説明がわかりにくい所です。アルパイやネネ、そしてエメルソンを「外人」と表現するならば(是非は別として)まあそうでしょう。彼らは日本人のサッカー文化の中で育っていませんから。でも、アレックスと闘莉王に関して「外人」という表現には無理があると普通考えてしまいます。

が、この作品において「外人」という言葉は、その人間のサッカーの基ともいえる「サッカー文化」を重要視して用いた表現であるということなので、結論としては前作における「5人の”外人”」という表現は妥当である(少なくとも間違いではない)と、いうしかありません。

でも、レッズサポーターはそんなに落ち着いてこれを読めないと思います。なにせ前作は、レッズという大事な存在をネタにされ、最後には笑えないフリとオチで締められたものでしたから。その続編が、拗ねた表現と分かりにくい説明では、火に油を注ぐようなものでしょう。

最後に。サッカークラブにおいてまず優先されるのは「勝ちたい」と思うことであり、そのために何をすべきかということでしょう。レッズにおいてその選択肢の中に帰化した選手を補強するという項目があったということであり、それはJリーグにおいて禁止されていることではありません。もっといえば、C契約で外国人を保有することもできるし、準外国人枠もまだ使用できますから、「外人部隊」を大きくすることは可能です。でも、レッズはそれが目的ではないので、今後もそれをすることはないと思います(多分…)。あくまで優勝するための戦力を保持するために、規則の中で出来うる努力をしただけのことです。それに対して納得がいかないのならば、同様の努力をすれば良いだけのことです。

そして、ファンがサポーターが選手たちに対して抱く気持ちは、ネネアルパイエメルソンは外国人である前に、そしてアレックス闘莉王は帰化して日本人になったという前に、

「レッズの大事な選手」ということです。それを蔑ろにするようなことを書いたんだから、みんなが怒って当然ですよ、と。今回の件に関しては、要はまあ、それだけのことだったということです。